
センター長 吉田彩子
このたび、長崎大学では、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の採択を契機として、「プラネタリーヘルスの実現を目指し、世界を牽引する大学へ」という新たなビジョンを掲げました。その中で設立されたパンデミック総合研究センター(Multidisciplinary Pandemic Research Center: M-PaReC)は、グローバルヘルス、グローバルリスク、グローバルエコロジーの3領域を横断しながら、次なるパンデミックに備える“超領域×異分野融合”研究を推進する拠点です。
近年、新興・再興感染症の拡大、気候変動、生物多様性の損失、環境汚染、食料問題など、地球規模の課題が複雑に絡み合い、私たちの健康や社会に大きな影響を及ぼしています。こうした課題に対応するためには、医学、獣医学、農学、環境学、情報科学、社会科学など、多様な分野が連携し、地域と世界をつなぐ新たな研究・教育体制を構築することが不可欠です。
M-PaReCでは、長崎大学に加え、宮崎大学、鹿児島大学の研究者が参画し、それぞれの強みを持ち寄りながら研究体制を構築しています。感染症研究に強みを持つ長崎大学と、動物・環境分野の研究に特色を持つ南九州の大学群が連携することで、スピルオーバーからパンデミック発生後までを一気通貫で捉える、新しい研究・教育モデルを目指しています。
COVID-19のパンデミックでは、ワクチン開発や感染制御だけでなく、情報発信、社会不安、医療格差、物流やインフラなど、多くの課題が顕在化しました。私たちは、科学的根拠に基づく知見を社会へ還元し、地域と世界に貢献できる研究拠点として、分野や組織の垣根を越えながら、プラネタリーヘルスの実現に挑戦してまいります。皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
